Infra Doctor®は、首都高が2017年から運用を開始した、未来型一括管理システム「i-DREAMs(アイドリームス)」のコア機能です。GISと3次元点群データを活用したインフラ・構造物の維持管理を支援する新時代のシステムで業務の効率化を実現します。インフラドクターは、以下の3つの機能で構成されます。
インフラドクターは、レーザースキャナにより取得する3次元点群データと、同時に取得する映像等をクラウド上で一元管理します。
全方位動画の閲覧や3次元での寸法計測などにより、現地に行かなくても室内で即座に現場状況を確認でき、インフラ管理の省力化を実現します。
3次元点群データと全方位動画は、同期して閲覧できます。
必要に応じてこれらのデータを切り替えながら、現場状況が即座に把握できます。
3次元点群データは全ての点が正確な3次元座標(X,Y,Z)を有しており、室内に居ながら2地点間の寸法を確認できます。
これにより、例えば交差点の寸法計測に必要だった交通規制や、鉄道構造物との離隔や建築限界確認のために必要だった線路閉鎖などが不要となります。
レーザースキャナやカメラを搭載した移動計測車両MMS(モービルマッピングシステム)により3次元点群データを取得します。
MMSが走れない高架下や路側帯については、固定式レーザースキャナ等を用います。
インフラ管理者のニーズに合わせて、管理・点検結果台帳等の検索システムをカスタマイズ可能です。
インフラドクターを用いた合理的で効率的な管理の実現を支援します。
維持管理業務では、構造物や、付属物、地下埋設物などの台帳データが利用されています。
インフラドクターでは台帳データをGISと3次元点群データに関連付けて効率的な管理を実現します。
維持管理業務で蓄積された膨大な点検データや補修履歴などのデータを、インフラドクターを用いて整理・保管し、効率的、効果的な検索システムを構築できます。
インフラドクターによる図面作成、舗装や壁面の変状検出、3Dシミュレーションなどの各種拡張機能を用いて、GISと3次元点群データの更なる活用を行うことにより、維持管理業務を高度化します。
3次元点群データから近接構造物や屋外広告物等との離隔寸法、建築限界の確認を行うことができます。
3次元点群データを定期的に取得することにより、構造物の変状を把握することができます。基準面と各点群の位置情報との比較を行い、コンター図で表示します。これにより効率的な構造物の維持管理が可能になります。
3次元点群データを用いると、視点の高さを変更してドライバーや歩行者等それぞれの視点でのシミュレーションができます。
3次元点群データ上に特殊車両の軌跡を再現した3次元モデルを配置して、立体的な取り合いも考慮した軌跡の検討が可能になります。インフラドクターに装備されたクレーン車やポールトレーラーのモデルの他、ユーザーが作成した3Dモデル*を取り込んで利用することも可能です。
*対応ファイル形式︓stl, igs, iges, stp, step, obj, wrl, wrz, vrml, enf, enf_*, drx, drx_*
インフラドクターの動的シミュレーション機能を用い、橋梁点検車などの3Dモデルを3次元点群データ上に搭載して実際の点検作業を事前に確認できます。これにより最適な点検車の選定、操作手順や障害物との干渉を確認でき、現場作業を最大限効率化します。
インフラドクターを用いた面的評価による新たな路面性状調査
3次元点群データを空間周波数解析することにより、従来より効率的な路面性状調査が可能になります。
トピックス
InfraDoctorの専用HPでは随時プレスリリースを更新しています。
首都高技術株式会社、朝日航洋株式会社、アストロデザイン株式会社の3社は、老朽化が進むインフラに対し、メンテナンスの品質向上と効率化を目的として、2018年12月1日から実用放送が開始された「8K」動画技術を道路インフラ点検に活用する取り組みを開始しました。「8K」動画技術のインフラメンテナンスへの適用は、世界初の取り組みです。
なお、「8K」動画とは、約3300万画素(横7680×縦4320)のエリアセンサカメラによる映像を指します。
2018年7月31日に(一財)国土技術研究センター・(一財)沿岸技術研究センター主催の第20回国土技術開発賞表彰式が開催され、最優秀賞を受賞いたしました。
国土技術開発賞は技術開発者の研究開発意欲の高揚と建設技術水準の向上を目的として建設産業に係る優れた新技術に贈られる大変名誉ある賞です。
私たちの技術は、新規性・汎用性・技術開発の効果等の観点で最も優れた技術として高い評価を受けました。
社会資本のメンテナンスに係る優れた取組を表彰するために創設された「第1回インフラメン
テナンス大賞」において、インフラドクターが総務大臣賞を受賞しました。
インフラドクターの「GISと三次元点群データを活用した道路・構造物維持管理支援システム
の開発」が、インフラの維持管理の大幅な業務効率の向上、精度の向上及びコスト縮減を果たせる新しい取組みであることが評価されました。
インフラドクターの開発経緯
我が国では、高度経済成長期に建設されたインフラの老朽化が進行する中、人口減少・少子高齢化による労働人口の減少や厳しい財政状況が相まってインフラの維持管理が大きな社会問題となっています。そこで右に示す首都高技術㈱・㈱エリジオン・朝日航洋㈱の3社では、それぞれの強みを活用・統合し、「首都高速道路」という現場を用いてすべてのインフラ管理者に「維持管理の効率化」「予防保全へのシフトを支援するソリューション」を提供すべく、インフラドクターの開発を進めてきました。
首都高技術株式会社 | 企画部 | 技術営業課 |
技術開発室 | 技術開発課 |
TEL 03-3578-5757