コンクリート構造物の点検を支援すること目的として、コンクリートに発生したひび割れを、デジタル画像から自動検出する技術を開発しました。
このサービスを利用することで、ひび割れ損傷図を作成する作業などが効率化され、見落としの少ない点検の補助が可能となり、熟練点検員の確保が難しい地方をはじめ、今後急増すると予測される全国の点検作業での活用が期待されます。
過酷な環境下に長年さらされたコンクリート構造物の表面状態は、傷、汚れ、湿潤などの影響を受けることから、従来のひび割れ検出技術では正確な検出が困難でした。そこで、収集した多数のコンクリート表面画像データをAIで学習し、ひび割れを識別する技術を開発し、幅0.2㎜以上のひび割れを実用化の目安である80%以上の高精度で検出することに成功しました。この技術をクラウド上に構築したシステムに実装することで、現場でスマートフォン等の携帯型端末などから、いつでもどこからでも利用可能となります。
デジタルカメラやスマートフォンなどで撮影した画像をクラウド上のAIシステムで解析し、ひび割れの検出、記録までの作業を現場でも行うことができます。
開発技術を用いてひび割れ検出した結果(中写真)と、点検者が写真からひび割れ検出した結果(左写真)を比較すると、同等程度の結果が得られており、ひび割れ検出結果は82.4%※の精度で検出することが可能です。また、従来ソフト(右写真)による検出では、型枠跡やチョークも検出しているのに対し、当開発技術では、ひび割れのみ検出することができています。
※2018年11月26日時点
今後、パノラマ合成写真を自動で作成するシステム、経年変化検出など実務に導入可能な機能を実装していくことを予定しています。
「自動パノラマ合成」は、特徴の少ないコンクリートの断片画像から対応点を自動で検出し、高速に合成させる技術です。
これにより、構造物全体を一つの高精度な画像として記録することが可能となり、損傷がどのように分布しているかなど、容易に把握することができます。
この技術の開発は、NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)から委託を受け実施しているものです。
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